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懐かしい缶詰

山の中を歩いていると、あれっと思うようなものに出くわす。造作物の跡であったり、錆びて朽ちた看板であったり、色々なことを思いめぐらせるには充分すぎるものがそこにはある。懐かしいミカンの缶詰、プルトップではないファンタグレープの懐かしい缶。

そんな深森の中で、山仕事の人たちは不思議な行動を取ることを良く目にする。それは、ジュースやビールの缶を地中に埋めてしまう。それも地表近くの浅い場所にである。「そのうっちー、土になっちゃーぅだ」(そのうち土になってしまう)と。そんな嘘も、あっそうなんだぁ、と思わず答えてしまう不思議がそこにはある。ごみの不適切な処理などではなく、自然の流れの中で行われている行為に見えてくる。
その埋めたはずの缶類が、森の中の動物の「甘みの元」となり、探して掘り出して来るので思わぬ場所で見つかる事になる。