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トビ(鳶)

トビ、あのトビである。
今使っているものは、四国・土佐山田の西山商会のもの。
ある日突然、年老いた山師に「おらぁの、トビ、くれるから使えやぁー」といわれ頂いたものである。
トビ口は長い柄の先に取り付けて使うが、その組み込みには奥の深い微妙な加減がある。緩くもなく、きつくもないころ合いにナタで丸棒を削り、鳶口を叩かずに柄の手元側を木などに打ち付け組み込ませていく。
組み込ませるときに鳶口と柄との間に「かませもの」をする。昔は竹の皮を使ったと云うが昨今ではドリンク缶を切り巻きつけてその代わりにしている。
件の年老いた山師に「おめぁ、ブラック缶が一番だなぁ」と言われ口をアングリとさせられたことがある。
ブラック缶でなければダメで、決してスーパードライの缶などではだめなのそうだ。そのブラック缶を使うのが今時のトビ口の組み付けの作法だそうな。